学校の授業や、ネットやテレビで聞いた言葉などに、ふっと興味が沸いて、どうしても
その意味が知りたくなることありませんか?
自分は中学生の時、「山椒大夫」をモチーフにしたテレビドラマにとても感動して、原作を読んでみました。作者は森鴎外です。森鴎外にも興味が沸いていろいろな作品も読みました。それでも、山椒大夫の世界観や森鴎外への興味が尽きず、国語の先生に何度も作者や小説のことを聞きに行ったことがあります。
さて、新学期が始まって気持ちのよい季節になってきました。ますます勉強にもいろんなことにも興味が沸くころではないでしょうか?
5月、と聞くとどんなイメージがありますか?
5月には旧暦の読み方をすると皐月、早苗月という呼び方があります。早苗という言葉は聞いたことありませんか?
今回は、早苗という言葉にはどんな由来や意味があるのか調べていきましょう。
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◯どうして早苗月が5月を意味する言葉なの?
現在使っている、1,2,3月とは新暦の読み方です。新暦とは太陽暦・グレゴリオ暦で1年を12か月に分けています。旧暦は、中国から伝わる暦を使っていました。明治8年頃まで使っていました。新暦と旧暦には1~2ヶ月ズレがあって、新暦が早くなります。新暦の5月だと旧暦6~7月頃になります。
旧暦の5月は、皐月、早苗月というのが一般的な読み方です。他も読み方はたくさんありますが
まずは、この早苗月とはどういう意味があるのでしょうか?
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早苗とは、若い苗のことを意味します。この早苗を田んぼに植える時期が5月なので、早苗月と呼ぶようになったと言われています。
すこしお米作りと田植えの話をしておきましょう。
お米は、縄文時代後期には行われたといわれています。当時は直播栽培が主流でした。直播とは直接田んぼに苗を植えて育てる方法です。
今は、苗代を作って水を張った田んぼに苗を植える方法で栽培しています。
田植えはとても重労働でした。今はトラクターがやってくれますが、ちょっと前まではすべて人の手で行っていました。田植えは家族総出で行われ、子供たちも学校を休んで田植えを手伝った農家もありました。それほど田植えは大切な行事で、人々の生活に密着していました。
お米は神様からの授かり物で、田の神様がいると考えられていました。田植えの前と後には豊作を祈るお祭りなど行う地域もあります。
◯早苗月と皐月の驚きの関係性とは?
5月の旧暦の読み方は皐月が一般です。
この皐月は、早苗月が時とともに短くなって皐月になったという説があります。
古語では「さ」という言葉は、稲の神様という説があって、早苗の「さ」は神様を意味する
言葉ともいわれています。他にも、「さ」のつく言葉は、皐月、さくら、五月雨、早乙女なども神様を意味するという説もあります。
5月の旧暦を皐月と早苗月と紹介してきましたが、他のもあるのでご紹介いたしましょう。
五月雨月(さみだれつき)雨月(うげつ)稲苗月(いななえづき)橘月(たちばなつき)
梅月(ばいげつ)健午月(けんごげつ)写月(しゃげつ)仲夏(ちゅうか)などがあります。
なかなか聞いたり読んだりするチャンスはなさそうな言葉ですね。
早苗などこういった言葉と触れ合うには俳句や和歌などを読んでみることをおすすめします。
例えば、松尾芭蕉が詠んだ俳句に、
○早苗とる手もとやむかししのぶ摺
○西か東か先早苗にも風の音
○早苗にもわが色黒き日数かな
松尾芭蕉が見ていた田んぼや田植えの風景とはどんなものだったのしょうか。
古今和歌集には、
○昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎ秋風の吹く
田植えというものが身近で大切なものとイメージができそうです。
何か1つのことに疑問が生じると、そこから枝分かれしていろんなことに興味がわいていくることがあります。ひとつひとつ調べてみると、面白いつながりや、由来などに出会えそうです。
辞書などで自分で調べてもいいし、どんどん周囲の人に聞いてみてもいいです!
疑問を減らして、自分の知識を増やしていきましょう!
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