NHK放送100年特集ドラマとして2025年に放送された「火星の女王」は、壮大なSF世界観と圧倒的な映像美で大きな注目を集めました。
本記事では、「火星の女王 ロケ地」「撮影場所」といった検索ニーズに応えるべく、千葉・茨城・栃木・群馬・東京など、火星の舞台として使用された撮影場所6選を詳しく解説します。
なぜこれらの場所が火星に見えたのか、撮影の裏側やVFXとの関係、聖地巡礼の注意点まで網羅的に紹介します。
火星の女王ロケ地一覧|日本国内で火星を再現した撮影場所6選

「火星の女王」が高く評価された理由の一つが、日本国内とは思えない圧倒的なロケーション選びです。
本作では、火星という非現実的な舞台を表現するため、自然地形・廃墟・工業施設などを巧みに活用し、VFXと組み合わせることで独自の世界観を作り上げています。
ここでは、判明している主なロケ地6か所を中心に、それぞれがどのように火星として描かれたのかを詳しく解説します。
1. 千葉県君津市の廃工場|火星の地表を象徴するロケ地

千葉県君津市にある廃工場は、火星の地表シーンとして使用された代表的なロケ地です。
無機質なコンクリート構造、錆びついた鉄骨、人工物が朽ち果てた雰囲気は、文明が衰退した火星の風景と高い親和性を持っています。
特に印象的なのは、広がりのある構図と空の抜け感で、実際には日本でありながら、火星の荒涼とした大地を想起させる映像に仕上がっています。
寒空の下での長時間撮影だったという裏話もあり、現場では役者やスタッフが探検気分で待機時間を過ごしていたとも伝えられています。
2. 茨城県の石切場・浄水場・ゴミ処理場

茨城県内では、大谷石の石切場をはじめ、浄水場やゴミ処理場といった複数の場所が火星の舞台として使用されました。
特に石切場は、洞窟のような地形と独特の岩肌が特徴で、火星の地下施設や自然洞窟の表現に最適だったと考えられます。
撮影時には水面が映り込まないよう厳しい制約が設けられ、その後VFXによって空間全体が描き換えられました。
実景をベースにしたCG合成だからこそ、視聴者に違和感を与えない映像表現が実現しています。
3. 栃木県宇都宮市 大谷資料館|地下空間の異世界感

北関東ロケ地の中でも特に有名なのが、栃木県宇都宮市の大谷資料館(旧・大谷石記念館)です。
地下に広がる巨大な石切場跡は、現実離れしたスケール感があり、火星の地下都市や秘密施設のシーンに使用されたとされています。
実際に訪れた人からも「火星のセットそのもの」「SF映画の世界」と評価されており、ロケ地としての完成度の高さがうかがえます。
人工的でありながら自然にも見える空間が、火星という舞台に説得力を与えています。
4. 群馬県高崎市 東洋熱工業 吉井工場跡|工業エリア

群馬県高崎市にある東洋熱工業株式会社の吉井工場跡は、火星コロニーや工業施設のシーンに使用されたとされるロケ地です。
廃墟化した工場の無骨な構造は、近未来SFに欠かせない要素であり、文明の痕跡を強く感じさせます。
この場所は高崎フィルムコミッションの支援作品としても記録されており、公式に近い形でロケ地使用が確認されています。
人の気配が消えた工業地帯という設定が、火星の過酷な環境をリアルに表現しています。
5. 東京都大島町(伊豆大島)岡田港|火星への旅立ち

ロケット打ち上げや出発シーンで使用されたのが、伊豆大島・岡田港です。
広い空と海に囲まれた港の風景は、地球から火星へ向かう“境界点”として象徴的に描かれました。
実際のロケット施設ではないものの、VFXを加えることで未来的な発射拠点へと変貌しています。
現実の風景に物語性を重ねる演出は、「火星の女王」ならではの手法と言えるでしょう。
6. 北関東エリアの非公開ロケ地|想像をかき立てる余白

このほか、ISDAやコロニー、アトロポス通りなどのシーンは、北関東を中心とした複数の場所で撮影されたとされていますが、具体的なロケ地は公式には明かされていません。
すべてを公開しないことで、視聴者が推測や考察を楽しめる余地を残している点も特徴です。
実景・セット・CGの境界を曖昧にする演出が、作品全体の没入感を高めています。
ロケ地から見る火星の女王の裏側|撮影秘話と注意点

制作陣は「火星らしさ」を条件に、日本国内で火星を表現できる場所を徹底的に探しました。
その結果、赤土や石肌、人工物が自然と風景に溶け込む場所が多い北関東が有力候補となったのです。
本作では最初からCGありきでロケ地を選定している点が特徴的です。
通常のドラマでは、実景を最大限活かす形でCGを補助的に使いますが、「火星の女王」では逆の発想が取られています。
実在のロケ地はあくまで“土台”であり、その上に未来都市や火星の大気、人工構造物を重ねることで完成形が作られています。
撮影秘話として語られているのが、水や空の扱いの難しさです。
火星には海や川が存在しないため、ロケ地に水面が映り込むことは極力避けなければなりませんでした。
そのため、石切場や地下施設では、水が入らない時間帯や角度を計算して撮影が行われています。
- 廃工場や工場跡地の多くは私有地であり、無断立ち入りは厳禁です。
- 公式に見学可能な施設(大谷資料館など)以外は、外観のみの見学にとどめましょう。
- 現在も稼働している施設や生活圏では、騒音や撮影行為に十分配慮が必要です。
